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May 11, 2015

サミュエル・ウルマンの詩「青春」について

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 サミュエル・ウルマン(Samuel Ullman, 1840年 - 1924年)は、アメリカ合衆国の実業家、(詩人、教育者)。ドイツ・ヘッヒンゲン (de:Hechingen) の生まれ。ユダヤ系ドイツ人であったため、迫害を避けアメリカへ渡る。 アラバマ州バーミングハムに住み、荒物商を営みながら執筆を続けた。80歳の記念に自費出版した『80歳の歳月の高見にて』に収められた詩"YOUTH"(青春)は名高い。この詩は第二次世界大戦後、アメリカの雑誌リーダーズ・ダイジェストに掲載され、連合国総司令官を務めたダグラス・マッカーサー元帥が座右の銘として執務室に掲げたことから、日本でも知られるようになった。経済界の先に立つ人物の間では古くから有名で、松下幸之助も座右の銘としていたと言われている。
 下記に転載した訳詩と原詩は94歳になる或る人生の大先輩から送られてきたもので、この詩の存在は以前から知っていたし、読んだこともある。しかし、ちゃんとしたテキストを手にしたことはない。大先輩からのご好意でもあり、原詩と照らし合わせながら、熟読してみた。またGoogleでも検索して、日本でどのように紹介されているのか調べて見た。訳詩はいろいろ存在し、かなりの酷い意訳も多く、自分の感動した部分のみをむしりとって、訳したものも多い。
 下記の訳詩は全体を忠実に再現されているが、意訳であることは免れていない。4節目の"there is a wireless station"と言うクローズがあり、これは「駅逓がある」と意訳され、第5節には”When the aerials are down"と言うくだりがあって、「霊感が絶え」と意訳されている。
 言うまでもなくWireles Station は無線局であり、aerialsはアンテナのことである。wireless stationを駅逓(駅馬車が繋いだ郵便局のことか)と意訳した時点でaerialsは霊感と意訳せざるを得なくなったのだろう。訳詩のリズムを傷つけないためには、エレキ仕掛けの表現は無視したほうが良いと思ったのだろうか?
 何れにしろ、旧制高校生が拘った原書主義はそれなりに貴重なこだわりだったのかと思われる。
 ところでこの人生の大先輩は94歳まで毎年スキー行に参加されていた「青春」の詩を地で行くような御仁でしたが、流石に足腰の衰えは覆いがたく、来年からは引退だと言っておられます。残念はあります。
  詩「青春」は添付フィルをご参照ください。

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May 04, 2015

黄文雄「犯韓論」の紹介:厄介な隣人について

著者:黄文雄は1938年台湾生まれ。評論家。拓殖大学日本文化研究所名誉教授。
4/8の朝日に韓国元外交官・長崎県立大学名誉教授の徐賢ソブ氏の「神保町で出会った『誠信外交』遠く、目曇らす歴史感情」と題するインタービュー記事が掲載された。その中で同氏は「韓国を見下して自国を立派だと礼賛する空気が目立つ日本をみると『韓国化している』と思う」と論難している。
しかし一寸待ってほしい。国家元首たる大統領自らが天皇を侮辱する発言をしたり、根拠薄弱な「従軍慰安婦・独島」PRに現を抜かし、世界各国の首脳に告げ口外交を繰り返し、米国各地に聖少女然とした「慰安婦像」を乱立させると言う常軌を逸した日本への嫌がらせに余念がない。これらの行動は日本人から見れば、「下品」であり、「悪徳」でしかない。これらの韓国の奇行には流石に他人に思いやりがある日本人も辟易し、嫌韓感情が広がっていると言うのが現状であろう。こうした経緯、誰が引き金を引いたか、を無視して、「日本が韓国化した」と非難するのは、自分は何時も正しく、悪いのは常に他人と言う、韓国人そのものと言うべきであろう。日本人の一部のヘイトスピーチも下品だが・・・・・・・・・。
日韓関係は日清・日露戦争以前に逆戻りし、韓国人のいビヘイビアが19世紀まで先祖帰りしてしまったように見える。
しかし、かく感じる小生は決して隣国の悪口を言って溜飲を下げるネット右翼的な嫌韓派ではない。今から30年ほど前の1984年の初夏から初冬にかけて、韓国海運港湾庁のコンサルタントとして、「国際コンテナ・ターミナルの最適立地選定調査」と言うプロジェクトに参加するために、韓国に6ヶ月間ほど滞在してことがある。その間、韓国のコンサルタント会社のスタッフ(ある意味で有識者層)とも、ホテルの土産物店のアジュマ(小母さん)、アガシ(娘さん)とも付き合い、親交を深めた。特にホテルのアジュマ、アガシとは夕食後毎日のように、その土産物店に入り浸って、雑談したりした。その意味では韓国人に対して何の偏見も、違和感もない。そのアジュマは9月末一時帰国する際には、沢山の松茸を土産物として持たせてくれたりもした。
それだけにネトウヨ的な嫌韓派ではないが、隣の国のことは気になってしかたがなく、つい日韓関係の書物に目が行ってしまう。
今回の「犯韓論」謂わば第三者とも言うべき台湾人の目に韓国がどう映ったかの貴重な見方のように思える。しかも同氏の見方は学者としての豊富な東洋史の知識に裏付けられていて、説得力がある。

目次を紹介すると、
1.なぜ韓国の反日は終わらないのか?
2.「従軍慰安婦」と「強制連行」の嘘
3.恨の文化をつくり出した半島の呪い
4.世界から軽蔑されるウリジナル
5.韓国の国家破産はなぜさけられないか?
6.だから日韓は分かり合えない。
7.韓国の反日にどう立ち向かうのか?

とりわけ、面白かったのは「韓国には歴史がない」と言う指摘である。朴大統領は日本に「正しい歴史認識」を突きつけ、「支配と被支配の歴史」「恨みを千年忘れない」と怨言しているが、韓国には「独自の歴史」などない。統一新羅から日清戦争に至るまで、半島で「易姓革命」によって生まれた政権は全て中国歴代王朝の「千年属国であり、中国史の一部かそのサブシステム程度の存在でしかなかったと言う。韓国人は実際の歴史よりも創作された偽史を好み、それは殆どがファンタジーなのだと言う。このファンタジーは病的ですらある。朴大頭領の「21世紀は韓国の世紀」「世界一聡明なる民族のDNA」と言う自画自賛。「日の丸やかな文字は韓国人が作った」「秦の始皇帝は、孫文などは韓国人だ。チンギスハーンも。」「茶道、盆栽、日本刀などはみな韓国起源」と言われると、怒るよりも馬鹿馬鹿しくなる。かれらの言う「歴史」とは創作、幻想、思い込みの混じった自己主張の押し付けに過ぎない。
極めつけは従軍慰安婦問題だ。韓国が宗主国としての歴代中国王朝に捧げる朝貢品は、もっぱら物ではなく、人だった。それは貢女と宦官だった。貢女とは現代語で言う「宮廷慰安婦」のことだと言う。言うなれば上古以来朝鮮は性奴隷国家であり、子女を売るのは朝鮮の風習だったが、むしろ日本の朝鮮総督府は近代法に基づき子女売買を禁止したものの、激しい抵抗を受けたと言うのが正しい歴史らしい。韓国の売春には小生も思い当たる節がある。韓国滞在中、仕事がオフになる土曜日の午後、日曜日の朝には部屋の電話が鳴り、女性(所謂女衒か?)から「お父さんが病気で困っている女子学生がいるのよ。玄人とは違う汚れていない、きれいな娘さんだから、付き合ってあげて!」と言う類の電話が決まってかかってきた。「そんな趣味はないから」と断っても、{人助けだと思って}とか何とか言うその種の電話が絶えることはなかった。一流ホテルの客室情報が筒抜けで、日本人の単身滞在者がいるということが売春斡旋業者にいきわたっていると言うことで、これは国を挙げての売春の奨励が行われているのではないか(目的は外貨獲得)? 2012年に韓国の風俗店で働く女性の数は27万人。別の統計では売春婦は189万人と言う数字もある。それは風俗嬢は成人人口の9人に1人と言う計算になる。慰安婦問題は女性の尊厳にかかわる人類普遍の問題と言うのなら、現実の売春婦問題に取り組むべきではないか?
また人攫いは李朝朝鮮では日常茶飯事で、韓国の伝統的悪習でもある。金大中拉致や北朝鮮の日本人拉致もその悪習が表面化したものに過ぎない。
要するに従軍慰安婦問題も韓国人強制連行も韓国人の自画像を拡大して日本人に投影して、被害者ぶっているに過ぎないと言う。
李朝朝鮮時代に韓国を訪れた東京高商の福田徳三教授は、当時の韓国の状況を「平安の藤原時代のようだ」と驚いたとあるが、韓国は清国の辺境として、古代の経済状況のまま放置され、国内では党派争いが絶えず、日韓合邦も半島問題に頭を痛めた列強が「東洋の永久平和のため」日本に処理を押し付けた結果であったと言うのが真相に近いのではないか。現に清末期の維新派の文化人であった梁啓超は「朝鮮亡国史略」「朝鮮滅亡の原因」と言った著書でその元凶を国王の高宗と妃の閔妃、高宗の父:大院君の抗争にあると指摘している。日帝40年の功績として「朝鮮を中国の『千年属国』から開放したことがあげられる。日清戦争で日本が勝利しなかったら、朝鮮は独立国家どころか、今頃はチベットみたいに中国朝鮮省になっていたに違いないとも言う。
朴大統領が「正しい歴史認識」を言い募るのであれば、彼女こそこのような自国の不幸な歴史を直視すべきではないか?
この本を読むほどに厄介な隣人の隣から引っ越せない日本の宿命が恨めしくなってくる。「亜細亜の悪友どもとの交友断絶」を提案した福沢諭吉の「脱亜論」に賛成したくもなる。
この厄介な国との付き合い方として「褒め殺し」を提案しているのには、思わず膝を打った。
話しは元に戻るが、ホテル土産店のアジュマも「韓国には日本のようにヤクザはいない。だから世界一治安が良い」と自慢していた。それはまだ戒厳令が解除されておらず、深夜外出が禁止されていた。だから「それは真実かもしれない」と思った。また「ハングルは世界一科学的な優れた文字だ。鳥の鳴き声、獣の鳴き声、なんでも正確に表現できる」と罪のないお国自慢に余念がなかった。しかし、これは直ちにおかしいと思った。何故ならば小生が「高瀬です(ナヌン タカセ ラゴ ハムニダ)」と名のると、ローマ字では必ず「DAKASE」と書く。「違うTAKASEだ」と言っても無駄であった。どうも韓国人には濁音と清音の区別がつかないらしい。耳で区別できないものが、文字で区別できるわけがない。要するに「ハングルは世界一科学的な文字」と言うのは大嘘だといことである。それもこれも今や懐かしい想い出になってしまった。

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