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March 17, 2014

『侮日論―「韓国人」はなぜ日本を憎むのか』読了

最近、呉善花拓殖大学国際学部教授『侮日論―「韓国人」はなぜ日本を憎むのか』を読み了えた。
人間の世代交代は30年、どんな不幸な過去があっても、30年経てば癒されると言われている。不幸な過去を現実感を持って記憶している人が減り、実体験した人の記憶も風化するからである(日本人は特に忘れやすいのかも知れないが)。ところが隣国韓国では70年近くに経つのに被害意識は癒されるどころか、ますます拡大再生産され行くのは何故か? 同じような体験をした台湾は親日的であるのに。
そのような疑問がどうしても拭い去ることが出来ないので、その背景を探るべくこの本を手に取った。
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筆者は1956済州島生まれ。反日少女が来日し、大東文化大と東京外語の大学院に学び、教育で染み付いた反日の思想と現実の日本人の姿とのギャップと格闘しながら、親日に転じ、遂には日本に帰化してしまった。バリバリの反日少女が日本信徒にまでなってしまい、活発な親日言論活動を展開した。その代償は大きかったようだ。2007年10月母親の葬儀に参加するために、訪韓しようといたところ、空港で入国を拒否されたと言う。韓国は民主主義国家であることを標榜しているが、日韓関係論に関する限り、全く言論の自由はなく、弾圧の対象でしかないと言う。李栄薫ソウル大学経済学部教授が『「日帝の一方的な収奪のもとで、植民地朝鮮の民衆は困窮に苦しんできた」と言う理解には大きな誤りがあり、「日本統治下の朝鮮半島ではむしろ、経済的に大きな発展が成し遂げられ、当時移植された近代資本主義の登場が1960年以後、飛躍的な経済成長をした要因だ」と発言したところ、韓国知識人から強い抗議と非難が浴びせられ、その後のTV番組で「朝鮮総督府が強制的に慰安婦を動員したと、どの学者が主張しているのか(一人もいないではないか)」と発言したところ、教授職辞職要求にまでエスカレートし、慰安婦たちの前で土下座謝罪をさせられたと言う。韓国政府は従軍慰安婦問題を女性の人権と人類社会の普遍的倫理への冒涜だと口汚く弾劾するが、朝鮮戦争当時韓国軍には特殊慰安隊がいたこと、米軍相手の売春をする慰安所テキサス村(朴大統領の父朴正毅がその管理者だったとの記事もあった)が存在したこと、ベトナム戦争当時にも韓国人慰安婦、ベトナム人慰安婦を利用したことなど、まったく頬被りしているというから、普遍的倫理が聞いてあきれる。韓国人慰安婦が韓国政府は「ベトナム人慰安婦に謝罪すべきだ」と主張していると言うのは一抹の救いでもある。自らの脛に傷がないわけでもないのに、何時までも下ネタを外交の手段として他国を攻め立てるのは品性が疑われる。
筆者呉女史によると韓国人は14世紀以来の華夷秩序の世界観に色濃く染まっていて、韓国は「中華」に限りなく近い文明人で、日本は化外の野蛮人(夷荻)だと軽蔑しているからだという。従って日本人をどんなに馬鹿にしても、失礼な態度をとってよいと考えているのだという。古来日本人に対する蔑称には事欠かず、古くは「倭賊」「蛮夷」と蔑み、現在でも「日本奴」「倭奴」「猪足(日本の足袋が豚の足のようであることから)」とかの蔑称を用いることも珍しくないという。また猿のように顔を掻いて見せるのも日本人への侮蔑的な表現なのだという。彼らの華夷秩序世界観から見た野蛮人たる日本人の植民地にされたことは1000年経っても許せないと言うことか?
しかし、こう言う反日的な態度は公的な建前(昼は反日、夜は親日)で、私的な本音では親日の人が多いという(特に日本の統治下で日本人と接して仲良く生活した経験のある人たちは)。小生も韓国海運港湾庁のコンサルタントとして数ヶ月間韓国に滞在したことがあるが(多分、全斗カン時代)、不愉快な思いをしたことは一度もない。だとしても、朴僅恵大統領の執拗な反日攻撃を聞いていると、次第に私的な親日も受け入れられなくなってしまうのではないかと心配である。特に日帝統治下の経験のある人たちが急速に老齢化して亡くなりつつある現状において、反日宣伝だけが猖獗を極めている状況を打開する道はあるのだろうか? 厄介な隣人を抱えたものだ。

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