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August 16, 2011

最近の西欧中部旅行で気付き考えたこと

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 いささか旧聞に属するが、学生時代仲間の夫婦8人で去る6月22日から7月9日までドイツ→フランス→スイス→フランス→イタリア→フランス→スイス→リヒテンシュタイン→オーストリア→ドイツと六ヶ国を駆け抜ける17日間に及ぶ旅を敢行した。
 以下その間に気付いたこと、考えたことを記録し、ご参考に供したい。


1.一体化した欧州
 ドイツ→フランス→スイス→フランス→イタリア→フランス→スイス→リヒテンシュタイン→オーストリア→ドイツと6ヶ国を駆け抜け、9回も国境を越えたが、一度もPassport Check を要求されることはなかった。シェンゲン協定の威力と言うか、一体化した欧州を実感した。

2.我が物顔に跋扈する中国人観光客
 嘗ての日本人、韓国人観光客になり代わって、欧州の有名観光地を跋扈しているのは中国人観光客である。ライン下りの船でも大量に乗り込んできたし、ローザンヌからエビアンまでレマン湖を横断する連絡船で一等船室を占拠したのが中国人観光客だったのには驚いた。勃興する中国の勢いを感じる光景だ。しかも観光客は皆若く、定年退職者主体の日本人団体客と全く趣を異にする。
 もっと驚いたのは嘗てナチス・ドイツの聖地と言われ、毎年ナチスの党大会が開かれたニュールンベルグ郊外の党大会場跡地の廃墟に中国人観光客のバスが乗りつけ、多数の中国人が屯していた異様な光景である。強力な一党独裁への共感なのだろうか?

3.スイスの観光インフラの凄さ
 スイスに足を踏み入れるのは5回目だが、何時も驚くのはスイスの観光インフラの充実振りである。富士山3776mよりも高い3800~4000mの地点まで、登山電車、ロープウェーなどが四通八達し、いとも簡単に富士山を越える地点まで観光客を運び入れる姿には正直敵わないなと思う。日本にも大町→黒四ダム→立山→室堂ルートなど雄大な山岳ルートもあるが、未だまだ敵わない。しかもそれらを前々世紀の19世紀にアイガーなどの岩山にトンネルをぶち抜いて鉄道を引いたのだから驚く。
 日本も観光立国を目指すと言うが、前途遼遠である。第二次大戦敗戦後「日本は東洋のスイスを目指すべきだ」との教育・キャンペーンが行われたことがある。その時は産業・観光をモデルにという意味ではなく、国際政治上のスタンス:永世中立をモデルとすべきだと言うものであったが、今や同じ円高、スイスフラン高に悩まされる仲間として、スイスの観光事業、付加価値の高い精密機械、医薬品、ネスレなどの食品産業への特化など多くの世界企業を輩出した産業構造に学ぶべき点が多いと考える。

4.なでしこジャパンの活躍
 今回の西欧旅行中、あれあれと言う間に「なでしこジャパン」が勝ち進み、強豪ドイツと準決勝で対戦することになった。その後強豪ドイツチームを下し、ついは米国チームにも勝って、優勝の栄冠を手にしたことはご案内の通りである。
 しかし、ドイツ滞在中に訪れたミュンヘンのHofbrauhaus(ヒットラーがしばしば集会を開いた広大なビアホール)で100キロを超える巨漢のMaedchen(と言うよりもお姉さん)が1.5キロを超える1000ccのビールが入るジョッキを片手に4個合計8個12キロを軽々と運んでくるのには驚いた(添付の写真ご参照願う)。日本のウェートレスは中ジョッキ(500cc)4個がいいところだ。
 こんな体力差がある民族のチームと対戦して果たして勝てるのか?と、思ったが結果はご既承の通りである。米国チームだってまるで身長が違い、壁のように立ちはだかっているように見えた。そのような体力差を超えて優勝の栄冠を手にしたのだから、このところ意気のあがらない日本人を大いに勇気付けたことは間違いない。だらしない日本男子。日本は「女ならでは日の明けぬ国」で、偉大なのは日本女性ではないか? 勃興する中国、インドなどに対抗するには「なでしこジャパン」のように小回りをきかせて、果敢に攻めて行くほかないのではないか?P7050393hofbrauhausem

5.ドイツの再生可能エネルギーの活用振り
ドイツ領内を走行して、気がつくのは至るところに太陽光発電設備が設置されていることである。中には崩れかかった農家の納屋の屋根の上にも一面に太陽光電池が敷き詰められている。フランスやスイスには見られない光景である。「原発廃止、自然エネルギー・シフト」のドイツならではの光景と言えよう。


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