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July 27, 2008

サマータイム導入に反対

 地球温暖化軽減への対策の一つとして、サマータイムの導入が超党派議員の間で検討されているとか? サマータイムと言うのはJapanese Englishで、正確にはDaylight Saving Timeと言うらしい。
 小生はサマータイムの導入に反対である。サマータイムは米軍の占領政策の一環として、1948年4月28日制定の「夏時間法」によって、導入された。しかし、日本人の感性には合わなかったらしく、米軍占領の終わり(1952-4-28)に先立って、4月11日にイデオロギー対立の激しかった当時としては珍しく、国会で超党派の満場一致で廃止法案が可決されたと言う記憶がある。但し、小生はまだ中学2年だったので、記憶は正確ではないかも知れない。
 しかし サマータイム実施の直後(5月頃だったと記憶する)には、体調の調整が大変だったように思える。つい睡眠不足になりがちだし、腹の調子もおかしくなったと記憶する。確か中学の先生も「どうも腹の調子が悪い」とこぼしていたのは鮮明に記憶している。
 現在でも当時のことを記憶している識者の間では反対論が強いようである。曰く「唯でさえ、一日の労働時間が長く、睡眠時間の短い日本人の睡眠時間がさらに短くなり、健康に悪い」とか、「省エネには逆効果ではないか。照明に使うエネルギーは減るかもしれないが、早く帰宅してクーラーをボンボンかければ、電力消費量は増える」とか、の論点が指摘されている。そういえば、Daylight Saving Timeというのも、照明が節約できると言う意味のようにも読める。つまり、電力消費といえば照明くらいしかない涼しい欧州諸国の常識は日本では通用しないと言うことでもある。
 しかも、コンピューター初めあらゆるところに時計機能が組み込まれていて、オペーレーションを制御している時代に、全国一斉に時計の針を1時間早めると言うことに伴う経済的ロスは無視しえないものがあるのではなかろうか?
 サマータイム的効果を得たいのであれば、学校や会社、官庁などが個々ばらばらに勝手に始業時間を早めれば済むことである。何も昼飯は1200から食べなければならないということはあるまい。1100からを昼食時間にすれば済むだけのことである。サマータイムの発想は時計が普及しておらず、市役所の時計台の時計とか、教会の鐘の音だけで時間を知るしかなかった時代の遺物のように思える。
 小生は所謂「小泉改革」なるものを余り評価していないが、珍しく小泉元首相の意見も小生と同じで、「ファッシズム的に全国一律に実施することはあるまい。やりたい組織機関が勝手にやればよい」と言うような主張であったと記憶している。
   

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July 06, 2008

何処の国が平和で安全か?―世界平和度ランキング

2008年世界平和度ランキング―何処の国が平和で安全か?
    ―ロシアと米国は最低のランクに―

 最近英国の独立系シンクタンクの経済平和研究所(The Institute for Economics and Peace) が世界平和度指数(The Global Peace Index) を発表した。
 これは各国を24の平和度評価基準で量ってランク付けしたものである。その評価基準には、近隣諸国との関係、武器輸出、海外派兵数などの対外関係のみならず、その国の犯罪率、刑務所に収監されている人数、国内でテロに曝される危険性などの指標が含まれている。
 この世界平和度ランキングの指標を開発したのは、オーストラリアの事業家で博愛主義者(Philanthropisit) の Steve Killelea氏である。

<覇権国のランキングとは大きく食い違う>
 このランキングのよると、米国とロシアの評価は低く、両国とも140ヶ国中下位半分のランクに属する。即ち米国は97位、ロシアは131位である(因みに日本は5位とG7の中では最上位である)。
 最も平和度の高いトップ20ヶ国のうち、16ヶ国は欧州の民主主義国で、その大部分はEUのメンバーである。もし、EUを1ヶ国と見なすならば、その順位は4位となる。
     世界平和度指数ランキング上位10ヶ国と下位10ヶ国

     順位   トップ10    順位   最下位10
      1   アイスランド    131   ロシア
      2   デンマーク     132   レバノン
      3   ノルウェー     133   北朝鮮
      4   ニュージーランド  134   中央アフリカ
      5   日本        135   チャド
      6   アイルランド    136   イスラエル
      7   ポルトガル     137   アフガニスタン
      8   フィンランド     138   スーダン
      9   ルクセンブルグ   139   ソマリア
      10   オーストリア    140   イラク

 中国は67位と上位半分に辛うじてランクされている。米国はシリア、ルワンダ、モンゴルと言った国よりも下位のランクだが、それは軍事費の支出と軍事行動が高レベルにあることを反映している。また、監獄の収監人数が相対的に他国よりも多いことによる。
 ロシアはチェチェン情勢の安定度が高まって、国内紛争に関する点数が改善したにも拘わらず、最下位から10番目と言う屈辱的な順位に留まっている。それは近隣諸国との関係が緊張しているし、暴力的犯罪の発生率が高いので、他国の市民から信用されていないことによる。 欧州ではフランス、英国、キプロス及びギリシャがトップ20位から脱落している。英国とフランスの軍備能力が比較的高いことが低いランキングの主たる理由である。
 1位のアイスランドの地位は国内政治の安定度と近隣諸国との良好な関係を反映したものであるが、常備軍を持たないこと、刑務所収監人数が最低の割合であることも評価されているものと思われる。
 この発表を報道した5月25日夕刊の朝日新聞の解説によると「日本は犯罪やテロの懸念、人権尊重など多くの分野で最高の評価だったが、近隣諸国との関係や軍備能力の高さなどが平和度にはマイナスと見られた」ようである。
 イラクが最低にランクされたのは、今なお400万人が国外で難民生活を送っていることを考えれば、当然の評価と言える。平和度の底辺にたむろする危険一杯の国としては、ソマリア、スーダン及びアフガニスタンがあげられる。
 2007年の調査に比して、大幅に評価を上げた国と、下げた国とがある。大幅に評価を上げた国としてはアンゴラ、インドネシア、インド及びウズベキスタンが挙げられる。 アンゴラは13ポイントも評価を上げた。内戦終結から5年経ち、国内政治情勢が大きく安定してきた。今年中に15年ぶりに初めて総選挙が実施されることになっている。
 ケニヤは12月の大統領選挙の後、深刻な国内紛争が起きており、最大の順位下降国(91→119)となった。

 なお Global Peace Index の詳しい順位と評価のポイントについては
http://www.visionofhumanity.org/gpi/results/rankings.php をご参照願いたい。 

<凶悪犯罪事件のランキング>
 ところがインド政府内務省が発表した犯罪統計を見ると、各国の危険度の違う様相が見えてくる。この統計の信憑性はもう一つ明らかではないが、インドの年間殺人事件件数は32,719件で、世界最多だという。それに南アフリカの30,960件、米国の16,692件、パキスタンの9,631件が続く。これに対して、殺人事件が少ないのはオーストリアの148件だが、イスラエルが177件と、テロの脅威に曝されていても、国内の治安は良く保たれていると言うことなのか? やや意外な感じがする。
 しかし、主要先進国中第一の平和度を誇る日本の盗難件数は173万件で、世界最高という不名誉な記録となっていると言う。犯罪発生件数全体では米国が2311万件で世界一、インドは503万件だと言う。

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