石油成金的城市アブダビ
6月上旬から中旬にかけて中欧3ヶ国を巡る旅に出かけた。そろそろお仕着せのパックツアーには飽きてきたので、今回は学生時代のクラスメート夫妻8人で、現地でマイクロバスつきガイドを雇ってのオーダーメイドの気まま旅である。
パックツアーではないので、ウィーンまでの飛行機も自分達で手配しなければならない。何処のエアラインが安いか、必死に探索したところ、台湾の中華航空が並外れて安いと言うことが判明した。但し、当然のことながら成田からウィーンまで直航ではなく、一度台北まで行って、そこでトランジットしなければならない。それは当たり前のことと覚悟していたが、予約した後になって、スケジュールの変更通知があり、途中アブダビに寄港するという。此方も元海運人。「ハハーン!産油国のアブダビで安いバンカーを積み込もうとしているな」とピンと来た。
往航は夜中の寄港で眠い目をこすりながら、一時下船であったので、何も見えなかったが、ブランド品の店が一杯の立派な空港ビルであることが分かった。そう言えば産油国は突然の石油価格高騰で、棚ボタ的利益を手にして、好景気に沸き立っていると言う。
復航ではウィーンを0920発アブダビ1430着の一時ランディングである。真昼間である今度は「石油成金的城市アブダビ」(機内誌にそう紹介してあった)を一目見たいと、着陸前から地上にむけて目を凝らした。ところが小さな集落と高速道路らしきものは見えたものの、石油ラッシュで獲得した豊富な資金で建設したと言う砂漠の中に高層ビルが林立する楽園リゾート都市、金融都市の姿は拝めなかった。アブダビは7首長国で構成されるアラブ首長国連邦の首都であり、何れ石油資源が枯渇するときに備えて、中東諸国の中心金融都市、人工的な観光リゾート都市建設を目指しているという。
日本では夕張市の財政再建団体入りが報じられており、地下資源が枯渇した後の鉱業都市の経営は厳しい。早くからその日に備えて、手を打っているアブダビの将来に注目したい。
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